実はボク、もともとすごい音痴だったんだ。
そうなの?聞いてて全然わからなかった。どうやって音痴を克服したの?
とにかく、自分の歌声を録音して聴くをひらすら繰り返したね。
そうなんだ。頑張ったんだね。
発声する本人には2つ音が混ざって聞こえる
中学生だった時に、クラスの音痴で有名な人に音痴って言われたのが悔しすぎて、ムキになって歌を練習するようになったんだ。でも声を聞いてみると確かに歌ってる時と違うように聞こえてきて音痴だって気付いたんだ。
そんなエピソードがあったんだね。確かに自分の声って、歌ってる時と聞いてる時で違う感じに聞こえるよね。あれってなんでなんだろう?
声って口の外に出た音が相手の耳に届くんだけど、自身の耳には、体の外部と内部の両方から音が届くんだ。つまり歌ってる本人には2つの音が混ざって聞こえてるってこと。
なるほど。だから、歌っている時と録音した時であんなに歌声が違うように聞こえるんだね。
そうだね。だから上達するために録音はとても大事な作業なんだ。外部から耳に届く「気導聴覚」と体の内部(頭蓋骨)から耳に届く「骨導聴覚」があることはぜひ知っておいてね。
| 気導聴覚(きどうちょうかく) | 骨導聴覚(こつどうちょうかく) | |
| 耳に届くまでの振動経路 | 空気を振動して耳に届く | 頭蓋骨を振動して耳に届く |
| 発声して聞こえるのは誰? | 他人も本人も | 本人だけ |
| どこを伝って耳に届く? | 空気 | 頭蓋骨 |
自覚してない音痴の直し方
聞こえ方の違うはわかったけど、音痴ってどうやって克服するの?
まずは音痴の種類を知る必要があるんだけど、本人が「自覚してない音痴(感覚的音痴)」、「自覚してる音痴(運動的音痴)」の2つがあるんだ。どちらも練習法は同じで、音を聞くこと、発声することをセットで行うよ。
具体的にはどんなことをするの?
ピアノやギターといった楽器で出した音を記憶して、5秒後に同じ音で「ア〜」って発声するんだ。もう一度同じ音を楽器で出して、答え合わせをするんだ。正解すれば、半音ずつ音を上げたり、下げたりしていくよ。
少し時間を置いてから、発声するのは理由があるの?
聞いた音を頭の中で流して、発生した時の音と答え合わせをするんだ。音が外れても引き上げたり引き下げたりしないように注意しよう。
自覚してる音痴の直し方
基本的には半音ずつ音を上げたり下げたりするんだけど、頭の中で音をイメージしてから発声するんだ。
楽器は使わなくてもいいから、こっちの方は少し楽だね。
そうだね。でも綺麗に声区転換を行なったりすることも大事だから、簡単ではないかな。
- 一つの音を演奏
- 何の音かを考える(5秒程度時間を空ける※重要)
- 頭の中で考えた音を「ア〜」と発声する(音声を録音する)
- 演奏された音と、発生した音(録音した音声)が合っているかを耳で確認する
- 上記をひたすら繰り返し、スケール(ドレミファソラシド)で、音程訓練を行う
- 一度で正しい音に合わせて発声できるようにするための訓練なので、実際の音とズレていても、正しい音に合わせてピッチ補正(ベンディング)しないことが大切です。
- 最初は自分が出しやすい音域で練習しましょう。
声帯調節能力不足の改善法
自分が歌う音がズレてることに気づいている人はどうしたらいいの?
その人は音感はあるから、音感訓練だけではなく、声帯を微妙に調節できる能力を育てる必要があるよ。具体的には、さまざまなスケールの練習を繰り返し行うよ。
- 発声する前に音を頭の中でイメージする
- 発声する
- スケールでさまざまな音で上記練習を繰り返す
- 高音になるにつれて、声帯が長く軽くなり、呼吸量が減りますが、呼吸量が多すぎると、微妙な声帯調節の妨げになるので、呼吸量も意識しましょう。
共鳴感覚不足の改善法
共鳴感覚がうまくつかめない人はどうすればいいの?
このタイプの人は、基本的に胸声(チェストボイス)で歌っている人がほとんどで、中声(ミドルボイス)と頭声(ヘッドボイス)の感覚をつかむ練習が必要だね。詳しくは、STEP4 発声法の種類を知るを見てみてね。
- さまざまなスケール練習を行う
- チェストボイス、ミドルボイス、ヘッドボイスの声区ごとに、違う共鳴を感じられるように感覚を養う
- 上記を反復練習し、声区転換の感覚を養う
- チェストボイスなどの低音だと、口腔や咽頭(喉)、胸付近に音の響きを感じますが、ミドルボイス、ヘッドボイスなど高音になるにつれ、軟口蓋(舌を上に押しつけたときに柔らかい箇所)をすぎて、頭頂部、後頭部に音の響きを移動させる必要があります。
- 声区転換はとても重要で、これをマスターできないと声区が変わった際にピッチがズレてしまいます。高音・低音の曲だと顕著に音ズレが起きたりします。
発声時と録音再生時の音の違いは聴覚によるもの
- 気導聴覚(きどうちょうかく)・・・空気を振動して「他人・本人」の耳に届く
- 骨導聴覚(こつどうちょうかく)・・・頭蓋骨を振動して「本人だけ」の耳に届く
音感を養うにはさまざまなスケール練習を行うこと。そして、楽器の音、自分の発声音の録音・再生をひたすら繰り返すこと。


